書く、直す、取り乱す 宮城学院女子大3年 村山慧子
インターンは9日目、心の疲れがみんなの表情に現れています。
原稿執筆に憔悴し、机に突っ伏して眠る人、
呼吸がすべてため息に変わってしまった人、
いい表現が思い浮かばず、しまいには奇声を発し取り乱す人…。
人づてに聞いていた河北インターンの地獄絵を、
自分も確かめることになってしまいました。
はい、気合を入れなおして自己紹介です。
今日の担当は、宮城学院女子大3年 村山慧子(むらやまけいこ)です。
出身は青森県野辺地町、海の目の前で育ちました。
同じ東北人としての帰属意識を持ちながら、宮城に対しては青森が「被災地」ではないという変な
負い目から、「震災」や「復興」というテーマを前にすると、自分がそこに向き合うべきなのか、
向き合っていいのか、分からなくなる自分がいます。
なので、このインターンは、取材をする、記事を書くという以前に
私にとってはなかなかハードな内容なのです。
始業時間の朝10時
学生の中で唯一の「理系」である、東北大理学部の斎田くんが、
研究室の面談のために数分遅刻したり、
B班の3人は朝から取材で名取市に出かけていなかったりしたので、
部屋がいつもより広く感じます。
まばらな人数で黙々と個人作業が始まりました。
今日の午後は個人原稿の合評会なので、原稿の提出期限が正午に迫ってきています。
みんな定位置につき、パソコンに向かい、真剣な顔です。
また、すでに書き上げた人はデスクに見せ、直し作業に入っています。
私も大泉大介デスクに見ていただきましたが、
自分の書いた分は跡形も残らないほどに直しが入りました。
淡々とした文章なので、データの分かりやすさはあったとしても、
視点が単調すぎて、描写が少なく、情景や感情が伝わりません。
また情報と情報の結びつきが不明確で、因果関係が分かりません。
書く順番や接続詞の使い方、言葉の選び方を吟味する必要があることがわかりました。
「でも、書くための材料はそろってるよ」
大泉デスクはパパのような厳しさとやさしさが伝わってくる方なので、
自分のできている部分だけでも褒めてもらい、うれしくなりました。
大泉デスクに言われるまで、記事を書くための材料が足りているのか、
自分ではわからなくなっていました。
「できていること」と「直すべきこと」、「その考え方」も確認でき、
たくさん直されたのに「もっといいもの書こう!」とやる気が出てきます。
13時
B班も戻ってきて、学生13人全員が集結。
デスク5人も集合し、密度を増した部屋で個人原稿の合評会です。
日にちを重ね、お互いのことがなんとなくわかった上での合評会なので、
笑いを交えながら進むグループもありました。
私たちのグループも同様に、和やか、かつ真剣なやり取りが繰り返されました。
担当デスクは先週体調を崩し、ダウンしていた大槻俊順(としまさ)さん。
復帰直後にも関わらず、次々と出る鋭い指摘に、みんながうなりました。
同じ素材でみんなが書き合ったこれまでの原稿の合評会と違い、
今回は班ごとに取材した内容をもとにした原稿なので、
お互いが「最初の読者」です。
これまでの記事なら、なんとなく分かり合えたことが、
予備知識ゼロで読むと、全く伝わらないことに初めて気づきました。
このインターンを通して、物事を客観的に見る習慣や、
わかりやすい文章の構成方法などが、少しずつ身につけられているような気もしてきました。
しかし、「できるようになったこと」がある分、「よりわからなくなったこと」もあります。
「震災」「被災」「復興」…。
今までもわからなかったのですが、言葉や解釈に繊細になった分、ますます難解になりました。
「震災を少しでも自分事として感じられたら」という気持ちもあり、
飛び込んだこのインターン。
26日のフィナーレまでに、答えはとうてい見えなさそうですが、
少しでも近付けたらと思います。それは私だけでなく、私たち世代の課題のようにも思います。
◎D班 紹介◎
佐藤拓満くん:写真左
東北学院大3年生、宮城県富谷市出身
たまに胸をたたいてドラミングしだす彼は、インターン中に21歳になりました。
女子2人の板挟みになっている苦労人です。
最初は優しいだけかと思っていましたが、
コミュニケーションを重ねていくうちに主張もするようになってくれ、
仲良くなったのを感じています。
野球が大好きで、甲子園での仙台育英高の試合はスマートフォンで見守っていました。
前川葉瑚(はこ)さん:写真中
京都女子大3年、三重県名張市出身
彼女も8月に誕生日を迎えて、21歳になったそうです。
穏やかそうな表情をしていながら、熱い気持ちを宿しています。
しかし、優しいので、私の強い自己主張を受け入れてくれがちです。
(本人曰く、他人に興味がないそうですが(笑))
今後議論する中で、内なるものがいつ出てくるかとドキドキしています。
寝ることが好きだそうで、自宅では5万円のマットレスで寝ているそうです。
村山慧子(けいこ):写真左・本人
宮城学院女子大3年、青森県野辺地町出身
私も21歳なので、同年齢グループです。
自己主張と声が大きいので、よく周りを(悪い意味で)圧倒してしまいます。
好きなものはたくさんありますが、基本的にオタクです。
私がスマートフォンでゲームをしているのを、2人はあたたかく見守ってくれています。
班発足時のいた一人が病気で戦線離脱し、濃い私とふわふわな2人の班になりました!
でも思いは熱く、まっすぐに。
みんなで伝えたいことに向っていきたいと思います。
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