2週間の挑戦 第一歩 上智大2年 栗原海柚
大学生が河北新報紙面を飾る記事の執筆に挑む「記者と駆けるインターン2017夏」、初日のブログを担当します、栗原海柚(くりはらみゆ)です。横浜出身(あえて神奈川出身とは言いません)、東京の上智大2年です。2年生ですが、浪人したので20歳です。人より余計に時間をかけて大学生になった分、今回の2週間のインターンでたくさんのことを学びたいです。
8月14日、仙台は雨でした。夏とは思えない涼しさです。雨の中、緊張しながら会場の河北新報社前に着くと、外に掲示してある新聞を熱心に見つめる同い年くらいの女性が。声をかけると同じインターン生の立命館大3年横見知佳さんでした。勇気を出して自己紹介すると笑顔で接してくださり、一安心です。
会場となっているホールに入ると、全国各地から集まった仲間たちが集っていました。少しでも早く名前を覚えるべくお互いにあいさつを済ませ、早速最初のカリキュラムがはじまりました。
午前中は、河北新報社防災・教育室長の武田真一さんのお話です。事前に河北新報の震災時の奮闘を記録した書籍やドラマを見ていたので、当時報道部長として陣頭指揮した武田さんのお名前だけは知っていた私は、内心ドキドキでした。
震災を通して感じた新聞の役割について、興味深い発言がありました。いわゆる「客観報道」についてです。武田さんは「客観報道って(存在し)ないと思う」と言いました。「記者はみんな、『共有したい』と思いを持って紙面を作っている」。その時点で、もはや客観ではない、という意見です。公平性や中立性が求められる立場から「客観」を重んじる報道機関が多い中、はっきりと客観を超えた読者との共感や共有を重視する報道スタンスを掲げる河北新報の記者たちの熱意が伝わってきました。
また、学生からの「デスクが原稿をボツにする、しないの基準はありますか」という質問に対して、「共感のふるい」という言葉が印象に残りました。記者として経験を重ねたデスクの共感を得て、紙面に載せるに値する記事を書けるかどうか─。2週間という長いようで短い期間に、紙面を担う今回のインターン。期待と同じくらいの不安を抱えていたわたしでしたが、「人と一緒に泣いたり笑ったりできる人間」(武田さん)となり、「まずは社内の人を感動させよう」という言葉に勇気をもらいました。
午後はこのインターンを共催する一般社団法人「ワカツク」の松浦智博さんによる事前研修。「考えて行動してください」という一言から始まったこの研修。文字通り頭を使いつつ話しまくる4時間でした。「ここにいる仲間と頑張っていこう」という気持ちも芽生えました。
今日感じたことをきっかけに、少しでも多くの人の心に響くような記事を目指して、誠意を持った取材活動をしていきたいと思います。その中で、つらいことや大変なこともあるでしょう。たくさんの課題に追われることにもなるのでしょう。今日は雨のせいか沢山の不安が頭をよぎります。しかし、2週間後はやりきったという晴れやかな気持ちで記事を書きあげる自分でありたいです。
上智大学2年栗原海柚
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