障がい者と私たち 宮城学院女子大3年 小野由加里

「障がい者と世の中の関係について考えてしまうときがあるんです・・・」





仙台市太白区長町にある、障がい者支援団体CILたすけっとの代表である及川智さんは悲しそうに言った。

及川さん自身、脳性まひの重い障がいがあり、電動車いすで生活している。

障がい者でありながら大学卒業後、自ら発起人となり支援する側に回った。及川さんは支援していく上で、地元仙台の障がい者福祉が遅れているという現状を知る。







健常者が当たり前のように利用するバスや地下鉄、タクシーなどを、障がい者はどのように利用しているのだろうか。





平成12年11月、「交通バリアフリー法」が施行された。高齢者や身体障がい者らが、公共交通機関を利用して円滑に移動できることを進めることが狙いである。

これに合わせ仙台市交通局は平成22年、仙台バリアフリーマップを発行。

同年以降、ノンステップバスの導入を進めた。今春時点で、仙台市のノンステップバスは520台中130台だ。







「少なすぎる」。この現状に及川さんは強い危機感を抱く。

4台バスが走ってきて3台は乗れない実状。

福祉が発展してきているとはいえ、障がい者にとってこの現実は「暮らしやすい」とはとても言えない。









 9月23日(日)、「みやぎアピール大行動」というイベントがある。活動の柱は障害者総合支援法の廃止アピールだが、勾当台公園から仙台駅前までを行進しながら「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」と社会に広く訴える。

及川さんも、たすけっとのスタッフとともに参加する予定だ。







この世の中を俯瞰すると、われわれは健常者と障がい者を過度に区別して考えてはいないだろうか。

冒頭の及川さんの言葉を読み解けば、「もっと考えるべきは、健常者の方ではないでしょうか」と聞こえてならない。









※今回、震災に関する記事は班で執筆しました。

震災と関係はないですが、伝えていくべきお話だと感じています。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

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