災害に向き合う〜被災地のラジオパーソナリティーとして〜東北大4年遠藤柊子

 「恐怖心は感じませんでした」

 やわらかな声で彼女は語る。ラジオで聞くのと変わらない澄んだ声だ。







 2011年3月11日14:46最大震度7の地震が東日本を襲った。それから10数分後、東北が発信エリアのラジオ局「エフエム仙台」から、地震後第一声が発せられた。声の主は、板橋恵子さん(60)(現在フリー)。いつも耳にする声に安心したリスナーが多かったはずだ。

 

 板橋さんが防災に関わったのは、2004年にはじまった防災情報番組「SUNDAY MORNING WAVE」がきっかけだった。この番組は、地震や津波の専門家を招き、防災を呼びかけるものだ。少しずつ、防災に関する知識をリスナーと共に学んできた。

 

 震災前の7年半、番組を担当した。想定以上の地震だったが、長年培った防災の知識を頼りに、マイクに向かった。「実は無我夢中でした」板橋さんはふりかえる。

 

 震災の教訓を生かすための取り組みが始まっている。以前より豊富な防災情報を載せたDatefm「サバメシ(サバイバル飯の略。非常食のこと)防災ハンドブック」が発行され、5万部以上が人々の手にわたった。「これから地震が予想される地域の人にも見てほしい」伝えたい、伝えなければという思いが彼女の原動力だ。

 

 番組の内容も変わった。大学の専門家が被災地をまわって、何が役に立ったのか、何が役に立たなかったのかを検証している。「教訓を無駄にしてはいけない」災害に対して真摯に向き合う姿勢が感じられる。

 

 「メディアとして発信し続けていきたい」そのやわらかな声は、これからもラジオの向こうへ届くことだろう。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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