あなたはそのままで素晴らしい 宮城大2年 佐々木哲哉

 「チャレンジド」という言葉をご存知だろうか。

一般に、「天から挑戦という使命やチャンスを与えられた」という意味で、「障害を持つ人」を表す言葉だ。



 チャレンジドの中でも、精神を患ったり引きこもりになったりした人の就労、自立支援をしている仙台市若林区のNPO法人「シャロームの会」に足を運んだ。



 「建前と本音の折り合いがつかなくなった時、心に変調をきたすんです」と、シャロームの会理事長の菊地茂さんは語る。







シャロームの会に通う精神障害者は、大学まで卒業した人が3人に1人。元々は皆、心身ともに健全だった。ただ、何かのきっかけで、心のコントロールが思うようにいかなくなっただけなのだ。



 私たちも、いつ、どのタイミングで、どのような状態に心が移ろうかわからない。誰しもが「チャレンジド」となりうる可能性はある。決して他人事ではない。



 震災は、家族、友人、財産など被災者にとってかけがえのないものを突然奪い去った。震災の被災者も、ある意味で「チャレンジド」といえる。「神から挑戦という使命を与えられた」と受け止めないとやりきれないほどの厳しい現実がのしかかるからだ。



 菊地さんがチャレンジドに対して、よく使う言葉がある。

 「あなたはそのままで素晴らしいんです」



 その真意は、一目でわかる地位や学歴などの表面的な評価軸だけで人を軽々と判断しない、ということだ。

人が存在する─。菊地さんは「それだけで計り知れない価値がある」と訴える。だから、他人と比べて動作が遅かろうと、日によって言動に多少のムラがあろうと、「私たちは受け入れることが必要」と繰り返す。



 そんな寛容な受け止めが広がれば、人は自分さえも肯定的に受け止めることもできる。

 「幼い頃から、多くの場面で絶えず競争にさらされる日本社会。謙遜が美徳とされる建前社会の裏返しが、心に変容をもたらす」と終始、菊地さんは言っていた。

 私も他人も唯一無二の存在。人と比べることも、へりくだり過ぎる必要もない。障害者も被災者も健常者も、存在価値そのものが素晴らしいのだから。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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