夕刊未掲載② 最後の一匹まで

宮城大2年 畠秀治郎

東北大2年 鈴木学

東北学院大1年 梅村雅







 震災後に保護したり、無償で預かった犬猫は延べ455匹。仙台市青葉区芋沢のペット関連サービス会社「ドックウッド」。敷地内のプレハブ小屋で、いまだ120匹以上が飼い主の下に戻れずにいる。



 避難所で、周りの目や苦情に耐えられず、愛するペットを捨ててしまった人が多くいた、という。「飼い主にとってペットがどれだけ支えになっていたか、それを手放す心境を考えると、私たちが動かないわけにはいかなかった」。代表の我妻真紀さん(41)は、震災直後から始めたボランティア活動のきっかけをこう話す。



 仙台市内の自宅が被災した芳賀正治さん(42)は、愛犬のニコちゃんを預けている。週一回の面会を欠かさない。「ブログで毎日の様子を見て安心しているけど、やっぱり寂しいです。犬とはいっても家族ですから」と話す。今は一緒に暮らせないが、「ここでしっかり面倒を見てもらっているので安心です。ありがたいです。ニコを引き取った後も、継続的にお付き合いしていきたいと思っています」





【写説】愛犬ニコちゃんの面会に来た芳賀さん親子=8月17日、仙台市青葉区芋沢のドックウッド



 「保護してからが始まり」と我妻さんは語る。「世話をする人があってこその命」だから、スタッフやボランティアは皆、飼い主の代わりにできるだけの愛情を注いでいる。

「元気に遊ぶペットたちを見ているとうれしい」と我妻さん。犬、猫たちは、“我が家”を離れながらも元気に暮らしている。



 飼い主が見つからなかったり、状況が変化して家に戻れなくなった犬猫もいて里親を募っている。震災直後は対応し切れないほど殺到していた申し出は、今はほとんど無い。最大で一日50人ほど来ていたというボランティアも、多く寄せられていた支援金も減りつつある。



 「震災から一年以上が過ぎて、いろいろなものが薄れていく」。我妻さんの表情が曇る。



 それでも、決意は固い。活動を続けていくため、一般社団法人「日本動物支援協会」を立ち上げた。



 「最後の一匹まで責任もって面倒を見ていくつもりです」。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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