未来に届けたい声 東北学院大3年 阿部礼奈

「震災から一年と五カ月が過ぎ、沿岸部と街中での意識の差がより激しくなったように思います」



仙台市のラジオ局Date fmで防災啓発番組「SUNDAY MORNING WAVE」のパーソナリティを長年務めている板橋恵子さん(60)は、ラジオ越しに聞くあの涼やかな声色で静かに危機感をあらわにする。







ここにいう意識とは、防災や、地震後の生活に対するそれである。板橋さんは兼ねてから、番組を通して防災の啓蒙に取り組んできた。地震直後、混乱の中放送された番組で、その知識は大いに役だったという。



「人の手によって生まれる二次災害を防ぐこと。これが震災時におけるメディアの使命だと感じた。無我夢中だった。」

板橋さんは当時の心境をこう振り返る。リスナーからは、「情報を手に入れることで、冷静な判断をとることができた」などと、多くの反響が寄せられた。



震災から時間が経つにつれ、人々の関心が薄れてしまうことを危惧する板橋さん。とりわけこれからの日本を担う若者たちには、大きな期待を寄せているという。

「これから先、3.11を上回る災害が起きてもおかしくない」

「災害への備えもさることながら、今一度人としての生き方について考え直してみてほしい」

板橋さんはそう真摯なまなざしで語りかける。



蛇口をひねれば水が出る。スイッチを押せば電気が灯る。インターネットではすぐに情報を手にいれることができる。私たちは震災で日常における「あたりまえ」を失い、それと引き換えに生きるうえで大切な「気付き」を得た。それらが自分自身の生き方を見つめ直すきっかけになった人も少なくないだろう。

あの日から一年と五カ月。震災への薄れがちな関心を、再び一人ひとりが意識づけしなくてはならない時期にさしかかっているのかもしれない。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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