「共助のために」 宮城大1年 鈴木一真





 「自分を尊敬してもらうためには、まず相手を尊敬することが大切」

東日本大震災直後、SIRA(サイラ、仙台市国際交流センター)の災害多言語支援センターで活動していたラミチャネ・アダルさん(24)は語る。

ラミチャネさんはネパール出身の留学生で、今年で来日六年目。現在も東北学院大学に在籍中だ。



 ラミチャネさんが災害時言語ボランティアの存在を知ったのは二年前。もともとボランティアに関心があり「自分の力で人を助けたい」と思い、参加を決意した。

それから言語ボランティアとしてほかの外国籍市民とともに市内で防災活動にかかわってきた。



 そんな中、東日本大震災が起きた。ラミチャネさんはセンターを中心に活動。母国のネパール語、日本語だけでなく、英語、ヒンディー語、ウルドゥ語を理解する語学力を生かし、語学力を生かし、言葉の不自由な外国人への支援のため尽力した。しかし、この活動の中であらためて「言葉・文化の壁を痛感した」とラミチャネさんは言う。「同じ地域に住んでいても、日本人と外国人でコミュニケーションがなかったため震災時にも互いのことがほとんどわからなかったようだ」と振り返る。



 ラミチャネさんは「日本人と外国人の関係の改善にはまずお互いのことを知ることが大切。もっと日本人の方に外国の文化に興味・関心をもってほしい。そのために交流の場を設けたい」と考える。

 具体的な内容は決まっていないが「地域のイベントに外国人が多く参加するように促すことから始め、いずれは日本人も外国人も巻き込んだイベントをしたい。皆で力をあわせて何かを達成する体験が必要」 と前を見据えた。





仙台市災害時多言語ボランティア・・・災害時に通訳翻訳等を行い外国籍市民に必要な情報を提供する市民ボランティアの登録や研修を行っている。

災害多言語支援センター・・・大規模災害時に外国籍市民支援のために仙台市国際交流センターに開設。





今後の展望を語るアダルさん。


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河北新報社 記者と駆けるインターン

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