おいしいって、しあわせ!!  ほまれフーズ  H班

藤根慎太郎(東北学院大3年)

千葉佳奈(法政大3年)

配川瞳(慶應義塾大3年)






素敵な空間で、大好きな人とおいしい食事をする。「3つの条件が揃ってはじめて、“おいしいって、しあわせ!!”と感じられるんです。私たちは、その中でも、おいしい食べ物を提供するお手伝いをしています」。株式会社ほまれフーズの取締役専務である丹野真衣さん(38)は、笑顔で語る。





食用花・エディブルフラワーの説明をする丹野さん=仙台市若林区卸町

のほまれフーズ




仙台市若林区卸町にあるほまれフーズは、前身である丹野食品から50年以上続く老舗卸売り会社。取り扱う商品は野菜や果物だけではなく、箸や皿、洗剤など「食」に関わるもの全般だ。市場から仕入れた商品を、取引先である仙台市内の400店以上のホテルやレストランに届ける。



新しくレストランを立ち上げる経営者の相談にものる。価格設定やメニュー作り、使用する食材の提案まで多岐に渡る。地元企業ならではの、きめ細やかな対応が売りだ。



調理する前から塩の味がする不思議な野菜「アイスプラント」や、直径1センチほどの「マイクロトマト」。珍しい商品も、仙台でいち早く取り入れた。「31人の社員一人一人が、商品への深い知識をもち、注文を受けるだけでなく、新しい商品の提案にも力を入れています」と丹野さんは語る。



「この仕事は、直接、商品を食べているお客さんの顔を見ることが少ないので、何の役にたっているのか実感することは難しいです。それでも、私たちがいなければ、食べ物は流通しません」。丹野さんの楽しみは、取引先のレストランに、自分たちが提案した商品をこっそり食べに行くことだ。「おいしそうに食べるお客さんの笑顔をみると、嬉しい」



東日本大震災後、放射能問題による風評被害で、一部の取引先では宮城県産の野菜や果物を敬遠する動きがあった。しかし、「ここ1年間で、宮城県産を使う取引先がとても増えているんです」。丹野さんは嬉しそうに語る。



ほまれフーズではホームページで、「宮城の食材」という特集を組んでいる。生産者の顔や食材への想い、こだわりを掲載し、宮城県産の魅力の発信に力をいれている。食を通して、被災地を元気にしたいという想いは広がっていく。



「おいしいって、しあわせ!!」。そう書かれた14台のトラックが、今日も仙台のどこかで食材を運び続ける。


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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。