プチ「巣立ちの時」  立教大2年 小松廉

 「お勉強は今日でおしまいです」


毎朝始業時に行う通称「朝の会」で、インターンプログラム統括デスクの大泉さんが言い放ちました。


これまでのプログラムは、河北新報や社団法人ワカツクが用意してくださった内容をこなす「受動的なお勉強」が主でした。


しかし今日の後半からは、本格的に班原稿を仕上げるための「能動的な活動」期間に切り替わる、というメッセージです。


大泉さん曰く「巣立ち」だそうです。


あまりにも唐突に巣から放り出されたような印象で、戸惑います。


 


用意された最後のお勉強の時間は、昨日の活動を各々がまとめた記事の批評会でした。


個人原稿の批評会はこれで2回目です。


 



 


各々の記事のレベルは格段に上がり、これまでの「お勉強」の成果を垣間見ることができました。


 


特にデスクをうならせたのは、お互いの批評や質問の質が向上したこと。


「現在、過去、未来の文章構成が入っているか」「書かれている数字は正しいか」など、


1回目の批評会と比べてよりシビアな声が飛び交います。


 



 


特に私たちを感心させたのは、東北大学1年の洞口駿君の記事でした。


彼は、日中にプログラムの一環として訪れた名取市閖上の津波被災地に11日夜、一人で再び訪れて記事を書いたそうです。


「昼間気づかなかったことを気づけた」と語る洞口君に、大泉デスクは「答えは現場にあるからね」と彼の行動を称えました。


 


これからの活動で大事なのは、積極的に現場に飛び込む姿勢だと思います。


机の前であれこれ考えるのも大事ですが、積極的に外へ飛び出さなくては、「巣立ち」のための翼も育たなくなってしまいます。


 



 


実際、取材のために社外に出て行く班が増えてきました。


現場へと出て行く彼らの顔付きは皆、精悍なものです。


一週間でこうも変わるのかと感心します。


「こうした経験を、やったことのある者とない者の差は大きい。人は短い間でも格段に変われる」と大泉さんは言います。


 


「記者と駆けるインターン」もそろそろ折り返しに近づいて来ました。


社会で羽ばたくための翼をより確かなものにすべく、現場に挑み続けます。


 


 


--------

河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。