百里を行く者は九十を半ばとす

ガタガタガタ。ゴゴーッ。

山形からバスに揺られて仙台に来るのは、もう何度目になるでしょう。

インターンが始まった頃、まだ青々とした木々がいっぱいだった車窓からの景色は、燃えるような紅葉を経て、今は真っ白な雪化粧へ変わりつつあります。

11月14日の活動報告は、山形大学の野上貴が担当します。



私たちB班は今日、昼から東松島市野蒜地区の食堂に再取材に行ってきました。

デスクからの指摘をもとに、「今日は妥協なく取材をしよう!」と心掛けていました。

2回目の取材ということもあり、以前の「硬さ」はもうありませんでした。前回より、ぐっと相手との心の距離を縮めることができたと思います。だからこそ、大切に文字におこす使命感を感じています(余談ですが取材中、牡蠣をごちそうになりました。おいしかったです)。







取材が終わり、バタバタと仙台に戻ってから、すぐにインターン全体の活動です。





前半は、各班に別れて個人原稿の再稿を担当デスクに批評して頂きました。











「前回の方が粗削りだけど、勢いがあった」



「この書き方だと誤解が生まれてしまう」



「かぎかっこの使い方がうまくできていない」



今日も担当デスクの指摘が飛び交います。







私たちの班では、「自分たちが取材相手に抱いた印象と、自分たちが書いた原稿から抱く取材相手のイメージとの間にはギャップがある」という点で長時間議論しました。平たく言えば、取材対象のことを、文字で思うように伝えきれてない、ということです。

ここですり合わせた意見が、後の班原稿の執筆のヒントになるはずだと思っています。



後半は、全体で相互批評です。大泉デスクによる檄(げき)が飛び、緊張感が高まります。







カギかっこ内のマルの使い方は正しいか。

自動詞と他動詞の使い分けができているか。

体言止めを多用していないか。

わかりにくい文章をどう書きかえるのか(「要するに、これって・・・」という自問を繰り返して、表現を磨く)。

取材先の基本的な情報が不足していないか。



大泉デスクに指摘された点を振り返ると、これまで「注意せよ」と何度も言われてきた内容が並びました。

一度注意されたことが、原稿に反映されていない。焦りました。

もう一度基本に立ち戻って原稿を書く必要性を感じました。





1ヶ月のインターンも残りあと1週間弱となりました。

長期の日程に慣れてきた反面、どこかで自分に対して「甘え」が出てきているのかもしれない、と実感しました。



「百里を行く者は九十を半ばとす」



今が山場であることは間違いありません。ここでしっかりと走りきることができるかは、おそらく自分次第でしょう。



誰かの助けを持つのではなく、まずは自分から変わる努力をしたいと思います。



次回から、いよいよ班原稿に取り掛かります。

班員4人の記事に、共通の思いをのせて書けるように、全員で試行錯誤したいと思います。





冬将軍はもう東北の地に降り立ちましたが、私たちの少し遅い収穫の時はもうすぐそこまで迫っています。



自分を大切に育てながら、残りの日々を駆け抜けます。


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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。