D班原稿 酒販売・むとう屋「かわら版で結ぶ縁」
明治大3年 鈴木良征
茨城大3年 吉田有希
山形大3年 川口御生
東北大1年 越田健介
茨城大3年 吉田有希
山形大3年 川口御生
東北大1年 越田健介
乾坤一、日高見、浦霞・・・。
店に入ると、宮城の銘酒がずらりと出迎える。
添えられた説明書きには「癒し系」「インパクト系」といったユニークな表現が並び、
訪れた客を楽しませる。
店に入ると、宮城の銘酒がずらりと出迎える。
添えられた説明書きには「癒し系」「インパクト系」といったユニークな表現が並び、
訪れた客を楽しませる。
宮城県松島町の酒販店「むとう屋」。
3代目社長の佐々木繁さん(67)は
「蔵元とは20、30年来の仲。うちと蔵元との関係は誇れるね」と胸を張る。
3代目社長の佐々木繁さん(67)は
「蔵元とは20、30年来の仲。うちと蔵元との関係は誇れるね」と胸を張る。
つながりの強さを物語るのが、
むとう屋で手作りしているリーフレット「酒かわら版」だ。
載せる酒のそれぞれについて、杜氏の顔写真とともに「人柄と同じ味」などと、
親しみやすい言葉で魅力を伝えている。
むとう屋で手作りしているリーフレット「酒かわら版」だ。
載せる酒のそれぞれについて、杜氏の顔写真とともに「人柄と同じ味」などと、
親しみやすい言葉で魅力を伝えている。
蔵元の酒造りにかける思いや苦労を客にも知ってほしいと考え、
2カ月に一度、ほぼA3サイズの用紙に裏表で発行を始めた。
誕生から18年、愛読者は全国3500人に広がった。
現在、取材と紙面制作は娘で店長の佐藤華子さん(38)が担う。
佐藤さんは「『毎回楽しみだよ』という声がうれしい」とやりがいを感じている。
2カ月に一度、ほぼA3サイズの用紙に裏表で発行を始めた。
誕生から18年、愛読者は全国3500人に広がった。
現在、取材と紙面制作は娘で店長の佐藤華子さん(38)が担う。
佐藤さんは「『毎回楽しみだよ』という声がうれしい」とやりがいを感じている。
【「酒かわら版」を手に、店のこれからについて語る佐々木社長(左)と佐藤店長】
松島湾が目の前に広がるむとう屋にも、
2011年の東日本大震災で津波が襲った。
店舗1階の商品が流された上、取引先のデータも消えた。
2011年の東日本大震災で津波が襲った。
店舗1階の商品が流された上、取引先のデータも消えた。
商品と客とのつながりという商売の両輪を失った。
がく然とする佐々木さんを奮い立たせたのは、
客からの「いつまで店を閉めているの」という言葉だった。
がく然とする佐々木さんを奮い立たせたのは、
客からの「いつまで店を閉めているの」という言葉だった。
店の片付けに駆けつけてくれた酒蔵の杜氏もいた。
これまで育んだつながりが、背中を押した。
これまで育んだつながりが、背中を押した。
営業再開は店名にちなんで「6(む)/10(とう)屋の日」に決めた。
佐々木さんの強い思いが込められていた。
11年6月10日、むとう屋は多くの人でにぎわった。
この日を待ちわび、遠くから酒を求めに来たファンもいた。
「どんなにお得意さんにお世話になっていたか、あらためて教えられた」。
佐々木さんは半世紀を刻んだ店が再出発できた喜びを振り返り、涙を浮かべる。
この日を待ちわび、遠くから酒を求めに来たファンもいた。
「どんなにお得意さんにお世話になっていたか、あらためて教えられた」。
佐々木さんは半世紀を刻んだ店が再出発できた喜びを振り返り、涙を浮かべる。
「お薦めのお酒、試飲してみませんか」。
気さくな声が店内に響く。
その一杯から始まる縁を、むとう屋は今日も大切にしている。
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