閖上の今 東北大1年 三浦規義

記者と駆けるインターン5日目、東北大文学部1年の三浦規義が担当します。


本日は宮城県名取市閖上地区を視察しました。

いつもより1時間早い9:00集合でしたが、誰一人遅刻することはなく定刻にバスは河北新報を出発しました。


閖上を訪れて初めに思ったことは、「何もない」ということでした。

そこでは土を盛り地面を高くする工事が行われており、何台もの大型トラックが行き交い、クレーン車が作業をする光景が広がっていました。

「5年前、ここには町があった」と聞いても想像することはできませんでした。




バスを降り、私達は日和山に登りました。

「山」と呼ぶには大げさな高さ6.3メートルの小さな丘です。

石段を上ること35段。

地区を一望する頂上で、一人一人線香をあげ、

震災で犠牲になった人々に手を合わせました。



現地では、名取市のかまぼこ会社「ささ圭」を営む佐々木靖子さんが

案内役を務めてくれました。

閖上地区では約750人もの人が亡くなりました。

その多くが津波にのまれて、犠牲になったそうです。



3月11日はとても寒い日で、

津波が地区を襲った夕方は雪が降っていました。

津波で体がぬれ、暖をとることが出来ずに亡くなっていった人もいたそうです。

人間の力ではどうしようもない自然の脅威をあらためて感じました。


地面の盛り上げ工事に関して、佐々木さんは「『土を盛ったら遺体が探せなくなってしまう』という主張と、『土をかさ上げしなければ町づくりが進まない』という主張が閖上では混在している」とおっしゃっていました。閖上の現状は複雑なものであると知りました。




日和山を下り、近くにある慰霊碑に移動しました。

その石碑の高さは8.4m。

閖上を襲った津波と同じです。

石碑の前には犠牲者名簿がありました。

ある名前を指さして佐々木さんはその人について語り、

「知っていただけに亡くなったことが辛い」とつぶやきました。

残された者の悲しみややるせなさが感じられました。


 


その後はそれぞれ分かれて取材を行いました。

「閖上の記憶」という伝承施設で語り部の方から話を聞く者、

メイプル


館で店の人や地元の人に取材する者など様々でした。



 


私は主に閖上の記憶で取材をしました。

そこでは子どもたちの作った作品が展示されてありました。

心に傷を負った子どもたちの心のケアをするための一環でこの作品を作ったそうです。

「自分の見たことをありのままに表現することによって、少しでも心を軽くできる」と語り部の方は話していました。



閖上の今を目にして、復興が進んでいる部分はあっても、

3月11日の心の傷は深いものがあるのだと感じました。


 


 


続きまして、班紹介に移ります。

今回の紹介はC班です!

昼食を和やかに取っている様子の写真です。





左下から時計回りに紹介します。

写真左下は東北学院大教養学部2年の三澤奈穂さんです。

三澤さんは大学で町づくりサークルに所属しており、仙台七夕のふきながし製作にも関わっています。

宮城県出身でありながら、「横浜DeNAベイスターズの大ファンで特に荒波選手が好きだ」と言い切っていました。中学では卓球、高校ではテニスをしていたスポーツ少女です。




左上で一際目を引くのは、早稲田大学院政治学研究科修士1年のマコーリー碧水(すい)ウィリアムさん、愛称は「マコ」です。

今回の参加者の中で一番年上です。

父親がアイルランド人で、母親が日本人のハーフ。

生まれも育ちも仙台で、「英語は話せません」と茶目っ気たっぷりに笑います。

そんな笑顔が素敵だと、13期の間では密かな話題となっています。

「学部時代、ダラダラと生活していたため卒業単位が危うかったけど、4年生の1年間で50単位取り、無事卒業できた」という武勇伝を語ってくれました。あと酒豪です。




写真右上の亀山美波さんは明治学院大社会学部に在学しています。

犯罪社会学を学ぶゼミに所属し、「正義と悪」についての論文を書いています。

何かかっこいいですね。

高校野球が大好きだそうで、日報では各県の注目校を毎回紹介しています。




最後は東北大3年の野間早百合さんです。

単位取得が難しい法学部で勉学に励む傍ら、自主ゼミにも所属しています。

端麗な容姿から、休日は紅茶を飲みながら小説を読んでいる印象があったのですが、

実際は「床に寝そべって新聞を読んでいる」そうです。

最近の悩みについて「マコさんにパソコンのデータフォルダーを見られたくない!」と切実に語っていました。(マコさんは盗み見の疑惑を「事実無根だ」と全否定しています)




C班は10社近く取材を断られたそうで焦っていたそうですが、

昨日ようやく取材にこぎつけ他の班と同じスタートラインに立てたことに安心しているそうです。


 


今日の視察は800字の原稿にまとめて明日、

皆で批評し合います。

今夜は原稿書きと日報を、寝落ちせずにやり切ります!


--------

河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。