復興って、何だろう。 東海大1年 猪股修平

 「記者と駆けるインターン2016夏」の4日目。

本日のブログ担当は、B班 東海大文学部広報メディア学科1年の猪股修平です


 大学では主にジャーナリズムの勉強をしています。

仙台生まれ、仙台育ち、現在は神奈川に住んでおりますが、心は仙台に在ります。

よろしくお願いします。


  さて、4日目の今日は東日本大震災で甚大な被害を受けた名取市閖上(ゆりあげ)地区を視察してきました。


 


 河北新報本社ビルからバスに乗り、インターン生一行は閖上へ。



 バスの車中では、大泉さんから「自助、共助、公助」についての話を聞きました。


 東日本大震災では、災害規模の大きさから行政機関が対応しきれず、公助の手が回らない状況に陥りました。助けを求める人が多過ぎて、助ける側が足りなかったのです。


 そうした教訓もあり、大泉さんは「自分が助ける側に回れるよう、日頃からもしものための備えが必要だ」と指摘。実際に、大泉さんのバッグの中にはいつも、マスクやカイロ、笛、携帯ラジオ、ペンライト、非常食の役目を果たす氷砂糖などが入っており、移動の車中で披露してくれました。


  いざという時、周囲に「助けてください」と救いを求める側に回るのではなく、

困っている人がいたら率先して「助けましょうか?」と言える人になってほしい─。

震災取材を経験した大泉さんのメッセージを、インターン生達は熱心に聞いていました。


 


 閖上地区に到着し、最初に訪れたのは、閖上地区一帯を見渡すことができる日和山。


インターン生一同は慰霊碑に線香を手向けました。



現地での案内役を務めてくださったのは、地元の笹かまぼこ店「ささ圭」の専務、佐々木靖子さん。震災の語り部として、震災前後の閖上の様子や自身の体験を聞かせていただきました。




 佐々木さんは「まさか、閖上に津波が来るとは思わなかった」と仰っていました。震災時、閖上地区には10m近くの津波が襲来。日和山に避難した人も犠牲になったそうです。



▲慰霊碑と、亡くなった方の名前が書かれた看板。閖上地区だけで、800人近くの方が亡くなった。


 


 次に訪れたのは、日和山のすぐ近くに立つ震災の伝承施設「閖上の記憶」です。



 ここでインターン生一同は、10分間の映像資料を視聴した後、震災時、実際に津波に遭遇した長沼俊幸さんの話を聞きました。




長沼さんは名取市内の職場で被災。揺れがあった直後に閖上地区にある自宅に戻った際、津波と遭遇。奥さんと屋根に登って何とか難を逃れたそうです。救助されたのは、震災翌日の12日午後。およそ25時間、寒さに震えながら助けを待っていたそうです。


 幸い、長沼さんの家族は無事でしたが、自宅近所の方の中には亡くなった方もいたそうです。


 長沼さんは私達インターン生に対し「復興とは何かを考えて欲しい。物質的な復興は出来ても、気持ちの復興は出来ない。簡単に、復興復興とは言えない」と話しました。


 被災した人の生の声に触れ、インターン生の中には涙を流す人も見られました。


 


 閖上地区は土地のかさ上げ工事が進み、震災後の当初の計画よりは大幅に少ない町の規模で、現地再建がされるそうです。


 


震災前は5000人以上が生活を営み、学校や職場に通い、家族や友人との時間を過ごしていた閖上地区─。



復興って、何だろう…。


震災時、仙台にいた私自身も考えたことがありましたが、今でも答えはわかりません。今日閖上で聞いた話を記事にする上で、あらためて考え直すことが求められています。


 



▲「閖上の記憶」館長の齋藤正義さん。「生きたくても生きられなかった若い人のことも考えてほしい」とインターン生に訴えました。閖上では中学校の生徒14人が亡くなりました。


 


「閖上の記憶」を後にし、一行は閖上地区で被災した店の仮設店舗がある「さいかい市場」へ。



▲まだまだ取材したい!インターン生の一人の萬さんは、バス出発のギリギリまで長沼さんに取材をしていました。


 



 「閖上さいかい市場」を訪れて昼食を摂った後に、インターン生は各々、市場店舗などの取材に挑みました。



 3日間の座学で学んだことを初めて実践する時。私は人と目を合わせることができないことが悩みでしたが、今日はしっかりと相手の目を見て取材をしました。


 相手の目を見ていると、どのような気持ちなのかがよく分かりました。目を見て話すということは、やはり大切なことなのですね。


 取材に熱が入るあまり、集合時間をオーバーしている人もいました。



河北新報に帰った後は、各自記事の執筆に励みます。

今日は閖上地区で見聞きしたことで、どんな記事が書けるのか。

各自が悩みながら明日朝までに記事を書き上げ、明日午前の合評会に臨みます。


 


インターン生の奮闘は、まだまだこれから。

インターン14期生の成長を、これからも見守っていただければ幸いです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!


 


 


 


 


【おまけ】


 今日は、過去の「記者と駆けるインターン」に参加した先輩が激励に訪れました!



河北新報整理部記者の鈴木絵梨香さん。


お菓子の差し入れをいただきました。


 


ありがとうございました!!


 


 


 


「河北新報記者と駆けるインターン」第14期生


東海大学文学部広報メディア学科1年


 


猪股修平


 


 


 


 


 


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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。