ヘルシーハット(仙台市宮城野区)「過敏症」理解の輪 広げていく 中央大2年 古畑航希

 「私は化学物質過敏症(CS)という病気です」表紙にそう書かれたリーフレットが、仙台市宮城野区にある食物アレルギー対応製品販売店「ヘルシーハット」に置いてある。店内には食品や日用品など約2500点が所狭しと並ぶ。 1984年に創業してからアレルギーに悩む人々と共に歩んできた。無香料・無添加の洗剤や石鹸なども置き、CS患者にも対応している。

 CSとは、ごく微量の化学物質に接しただけで、体調不良をきたす病気のことだ。社長の三田久美(63)さんは、CSが2009年に病名登録される以前に、この病を自覚した。何軒も病院を回ったがいっこうに病名が判明しない。過去の原因不明の症状を分析し、この病しかないと思った。東京の専門の医師に診断してもらったところ、化学物質過敏症だった。

 3.11以降、ヘルシーハットはアレルギー対応食品の支援物資を配るため、被災地の各避難所を回った。合成洗剤と柔軟剤の香りで満たされた避難所。化学物質過敏症を持つ三田さんには耐えられなかった。「この病は認知もされていないから、配慮は全くなされていない。」化学物質過敏症の認知度の低さを痛感した。

 14年、患者の体験と合わせて自身の経験を綴った『カナリヤからの警告~氾濫する化学物質~』を執筆した。「患者が読むことで心の拠り所となってほしい。」周囲に理解されにくい病気を持つ患者のためを思って書いた。その他にも、病気をわかりやすく伝え、配慮をお願いするためのカードを作った。「少し離れて会話をさせてください」と言うにも、病気の理解がなければ、相手を不快にさせてしまう可能性があるからだ。

 アレルギーとは異なり、個人で気を付けるだけでは防ぎきれない。病気の認知を増やし、理解を広げていくことで、社会全体で協力し合うしかない。全国各地に出向き、病気の認知と理解のために、地道に講演もしている。

 「あなたがなるかもしれないからね」と警鐘を鳴らすとともに、「病気を負い目に感じず、社会と関わってほしい」と明るい未来を望む。ヘルシーハットはCS患者に寄り添い続ける。

執筆の苦労話を笑顔で話す三田さん。

河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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