途方もない

インターン生の鈴木一真@宮城大です。



インターン6日目の今日は、仙台市若林区で農地再生に取り組むボランティア団体「Reroots(リルーツ)」の活動に参加しました。



河北新報社からはバスで、若林区七郷にあるリルーツのボランティアハウスに移動!



スタッフの森瑶子さん(23)からリルーツの団体概要や活動の趣旨、そしてわれわれに対する注意点について、説明をもらいました。







今日の活動場所はボランティアハウスから車で海側に10分ほど走った若林区井土浜。



一時は人の背丈ほどまで草に覆われたかつての畑のうち、

すでに別のボランティアの力で草刈が済んだエリアの土を耕す作業を任されました。



いよいよ作業開始!

スコップで土を掘り返しながら、いわゆる「がれき」を取り除いていきます。







作業の途中、畑の持ち主である渡辺邦夫さん(53)が顔を見せてくれました。







自分や家族の力で農地をよみがえらせたくても、

あまりに多くのがれきに覆われた惨状に音を上げ、リルーツに助けを求めたといいます。



「この秋には作付けを再開させたいんですが、自力ではもうなんともならなくて・・・。

暑い中、本当に大変だと思うんですが、どうぞよろしくお願いします」



自分たちが汗することが、この人のためになるんだという実感が持てて、俄然やる気が出た瞬間でした。





それから休憩を挟んで、作業は約3時間半続きました。正直に言えば、作業自体はそれほどつらいものではありませんでした。



しかし、この作業をもし、渡辺さんが一人でしなければならないとしたら・・・。

途方もない作業だと実感しました。



土を掘り返していると、スコップを入れる度に、刃先に何かがぶつかります。

瓦、ガラス、石ころ、ビニール、中身が入ったままの弁当箱・・・。

一つ一つ取り除きながら、この秋以降この地に植えられる農作物が、少しでも元気に根を張るようにと願いを込めました。



待望のランチタイム。他のボランティア参加者に取材を試みるインターン生もいました。

僕も京都から来ていた主婦に話を聞きましたが、この方は何と11回目の参加。

「当初は被災者のためにと思って始めたことが、今は自分の楽しみなんです」との言葉に、

僕は素直に喜びを覚えました。



「自分が作業をした場所が、次に来たときには変わっている。少しでも変化を感じられるのがうれしいんです」



僕のふるさとでもある宮城県七ヶ浜町にも来たことがあるそうです。

被災地から遠く離れて暮らす人が、ここまで被災地に思いを寄せ、

足を運んでくれていることに、ただただ頭が下がりました。



この日の最後、荒浜小近くの海辺を訪れ、震災の犠牲者を弔う慰霊碑の前に立ちました。







月並みな言葉しか出てきませんでした。

「復興のために頑張ります」

僕は静かに手を合わせました。
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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。