意中相手の本音に迫れ! 東北大生が開発 恋の相互扶助ソフト

恋愛。僕ら若者の最大の関心事です。



でも、告白すらできず思い通りにいかなかったり、やっとデートまでたどり着いたものの会話が盛り上がらなかったり…。



意中の相手の本音に迫れず右往左往の連続です。そんな悩みに応えてくれそうなソフトウエアの開発を、東北大経済学部4年の渡辺聡さん(23)が進めています。





春から東京のIT企業に進む渡辺さん。SATORIBA運営と二足のわらじをはく





「SATORIBA(サトリバ)」という名の恋を切り口にしたコミュニケーションアプリです。利用者が心理テストに答えると、コンピューターが性格を分析。自分の意中の相手に性格や考え方が最も近い異性を引き合わせ、3日間、ネット上で会話を交わします。



いわば、思いを寄せる異性の“そっくりさん”に相談しながら、思いを吐露する練習を積み、本番に備えるのです。相談相手は、同じように恋の悩みを抱える別の利用者。時に相談者、時に聞き役となる相互扶助の仕組みです。



「ここで練習することで、痛い失敗は避けてほしいし、自信をつかんでほしい」。そう話す渡辺さんの着想の原点は、自らの苦い体験にありました。



中学時代、ささいな行き違いから、好きな子に「放って置いて!」と言われ、真に受けて言葉通りに行動した渡辺さん。すると、「分かっていない!」と相手に叱られ、わだかまりだけが残ったそうです。



「相手の気持ちをうまく理解できれば、展開は違っていたはず。恋に限らず対人関係に悩む若者は多く、こうした仕組みがあれば役立つと思った」



昨年11月から制作に挑み、仲間数人と作業してきました。現在はネット上で募った男女50人が使い勝手などを確かめており、5月の運用開始を目指しています。



「評判は上々。スタート2、3年で国内200万人のユーザー獲得が初期目標です。必ずやいいそっくりさんを引き合わせられます。課題は、出会い系などと誤解されないことです」



渡辺さんは一昨年1年間休学し、心の病に苦しむ人たちの支援に取り組みました。人付きあいに悩み、殻に閉じこもる姿に接したことも、サイト開発の背景にあります。



「コミュニケーションで苦労する人に本音を打ち明けることに慣れてもらい、いずれはリアルな世界でも、自分を開花できる人になってほしいんです」



人の気持ちを察し、悟りに近づく場所—。名前には、そんな願いが込められています。



執筆者:

東北学院大3年 氏家麻弥

東北大2年 下澤大祐

東北大1年 武長慧介

東北大1年 馬場翔子


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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。