企業利益で震災復興  東北大・ボハーチ・ダービット

 「自分の会社で売り上げと利益をしっかり出して、税金を支払う。その税金が公共に使われる。また、地元から社員を雇い、雇用を発生させる。このことが我々のしなければならないこと。一番の地域貢献だと思う」。ニューイーストの社長、新田秀悦 (49歳)は言う。



新田さんは石巻生まれ。東日本大震災で彼が営む建設業、運送業、インターネットカフェ等の営業は、すべて大打撃を受けた。



震災後、ボランティアで炊き出しをした時に「ボランティアというのは必ずしもいいことだといわけではない」と、それまでの考え方が変わった。ボランティアを当たり前だと思ってる人も増えてきて、被災者は自分の力で立ち上がろうとしない人もいる。出来ることから少しずつ自力でやっていくのが重要だ。



 「一所懸命勉強して偉い人になれば、他の人が出来ない重要なことができるかもしれない」と新田さんは言う。皆自分が一番得意なことをやるほうがいい。学生は勉強、政治家は政策、商人はお金を生むべきだ。



 岩手県にある、フランチャイズ方式で開いていた「自遊空間・一関店」を立て直すには2500万円以上かかった。立て直すのがもう無理だと思ったが4000人以上の会員を大切にし、再開を決めたそうだ。



利益と言ってもそれはすべてではない。震災一年後、自慢の「セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ仙台中央通り店」を開店。「美味しい」「ありがとう」「また来るね」と言ってもらうのが一番嬉しいと言う。





仙台中央通りにあるセガフレード・ザネッティ・エスプレッソ店



「仙台、地元を元気に」というモットーを基に今後石巻でもカフェを開き、利益が少なくても幅広いコミュニティーが集まれる場所、客がアルバイトをしたくなる場所を作る予定だ。



ボランティアがいるからこそ復興が少しずつ進んでいる。一方、税金を払うこと、 赤字を出さない経営をすること、 一人でも多く雇用することも社会貢献であると言える。

復興支援の形は違くとも、地元再生への熱い想いは変わらない。


--------

河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。