A班原稿 「仙台城跡、楽しさ発信」

法政大4年平山連、東北大大学院修士1年長谷川美佳、東北学院大3年鎌田尭、東北福祉大2年高橋夏海


 


 


仙台城跡(仙台市青葉区)は宮城を代表する観光地として、大勢の観光客が訪れる。


仙台藩祖伊達政宗の騎馬像があり、政宗の視線の先には、仙台の街が広がる。


 


「仙台城跡をますます『楽しい場所』にして、多くの観光客を呼び戻したい」と青葉城本丸会館営業チーフ菅原護さん(42)は語る。


同会館は結婚式場や飲食店などのある城跡の拠点的な施設だ。



▲「いつか城を復元できたらうれしいですね」、と話す菅原さん=仙台市青葉区仙台城跡


 


東日本大震災で沿岸部の津波被害が注目されたが、内陸部の仙台城跡も地震被害を受けた。


石垣の一部が崩れ、同会館はけが人は出なかったものの、窓ガラスが割れ、商品が散乱した。


 


影響は物的な被害だけではない。同会館によると、2013年の仙台城跡の観光客数は約80万人。


震災前の10年に比べ、約20万人減った。「県全体の観光客が減っている。


被災地を避ける観光客の心理や、福島第一原発事故による風評被害の影響もあるのでは」と菅原さんは懸念する。


 


同会館は震災の約1か月後、水道の復旧を待って営業を再開。


観光客を呼び戻そうと、市の観光PR集団「伊達武将隊」の演武、仙台みその手作り体験などを企画。


情報をフェイスブックやブログで発信することで、関心を寄せる県外客も増えているという。


 


地元の人にも来てもらうため、市と協力した騎馬像のライトアップを継続。


駐車場を午後6時から11時まで無料開放している。


夜空に照らし出される政宗の勇姿とともに、100万都市の夜景を一望できる演出だ。


 


「仙台城跡はかつて政宗公が広大な城を築いた特別な場所。そこで思い出づくりができることが一番の魅力」と菅原さん。

震災から3年、城跡付近の市道の一部通行止めが続くなど、爪痕は残る。


 


それでも、前に進む努力は怠らない。


4月からJR東日本との共同企画で、仙台城跡でのずんだ餅作り体験やオリジナルこけし作りなどを盛り込んだツアーを予定する。


「仙台城跡のよさをアピールすることが自分たちの使命。訪れた人に楽しく過ごしてもらえるよう、職員みんなで企画を立て、魅力をもっと伝えたい」と菅原さんは語った。

 


 


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河北新報社 記者と駆けるインターン

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