この風景の先に 東北大大学院修士1年 尾崎希海

記者と駆けるインターンin石巻5日目。

後半戦に突入し、いよいよ佳境に入りつつあります。


 


本日14日ブログを担当するのは、東北大学大学院修士1年・尾崎希海です。


 


昨日13日の批評会で、記事にも取材にも足りないところがたくさんあることを自覚した私たち。

今日は朝から追加取材にでかけました。

班としての初稿の締め切りは18時。

まさに時間との闘いです。


私たちA班は、二手に分かれて2件の取材先へ。

片道1時間以上かかることもあり、全員が帰社したのが17時。

それから、情報整理に15分。

記事の中で担当する箇所を決め、原稿を書き始めたときには、

残り時間は40分ほどになっていました。


焦りと戦いながら、最後の1分1秒まで議論と修正をつづけ、

18時に「とにかく出した」という状態。

間髪を入れず批評会がはじまりました。


30分ほどで終了した批評会ですが、短い時間にも濃密な指摘をいただきました。

いま、現在進行形で原稿の修正をしています。

最終締め切りは明日15日の16時。

明日は午前中、鮎川浜で水揚げの様子を取材する予定なので、

状況はとても切迫しています。

いつも(主にリーダーのおかげで)笑いの絶えない我がA班ですが、

さすがにみんなの表情は真剣です。



 


最後に、今日行った牡鹿半島・蛤浜の写真を1枚。



昼食に訪れた蛤浜は、震災前は16軒の民家が集まる小さな集落でした。

東日本大震災の津波で、大半の家は流され、残ったのはわずか3軒でした。


家の基礎の白と、海風に震える枯れ草の茶。

空を厚く覆う鈍色の雲と、対をなした沈んだ海。

彩りを失い、寂しい景色のなかで、

水平線の向こうに少しだけ覗いた空の赤に、希望の温もりを探したくなりました。


私たちに、できることは何か─。

この風景を伝える先に、受信してくれる誰かがいることを信じます。


 


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河北新報社 記者と駆けるインターン

このブログは、2012年夏から2019年春まで通算19回行われた、大学生向けの記者体験プログラム「記者と駆けるインターン」の活動報告です。 2019年夏からは内容や期間が異なりますので、ご了承ください。 詳細は最新の記事をご覧ください。