武田染工場 「染め物に新たな価値を」
E班
立教大3年 鈴木 俊平
東北大2年 舘岡 明里
山形大2年 三浦 紗樹
明治大1年 矢崎 翼
立教大3年 鈴木 俊平
東北大2年 舘岡 明里
山形大2年 三浦 紗樹
明治大1年 矢崎 翼
濃紺に染められた厚手の生地に、白抜きのタイを描いたトートバック。
仙台市若林区にある「武田染工場」のオリジナル商品だ。
ファッション性が高く、A4サイズのファイルが楽々入る。
通学や買い物など暮らしの中でいろいろ役立ちそうだ。
仙台市若林区にある「武田染工場」のオリジナル商品だ。
ファッション性が高く、A4サイズのファイルが楽々入る。
通学や買い物など暮らしの中でいろいろ役立ちそうだ。
「酒屋で使う前掛けを加工しました。
伝統の枠にとらわれず、染め物の可能性を追い求めた結果の一つです」
そう話すのは、2011年8月に就任した16代目社長の武田和弘さん(53)。
工場で作る前掛けの生地や腰ひもを使い、他の製品と同様、
一枚一枚職人が手作業で染め上げている。
「メイドイン武田染工場」をアピールしようと、13年秋から試験的に作り始め、
イベントなどで販売することもある。
伝統の枠にとらわれず、染め物の可能性を追い求めた結果の一つです」
そう話すのは、2011年8月に就任した16代目社長の武田和弘さん(53)。
工場で作る前掛けの生地や腰ひもを使い、他の製品と同様、
一枚一枚職人が手作業で染め上げている。
「メイドイン武田染工場」をアピールしようと、13年秋から試験的に作り始め、
イベントなどで販売することもある。
【伝統の技を大切にしながら、染め物の可能性を追求する武田さん】
工場は江戸時代中期に創業、300年の歴史がある。
従業員は12人。今も伝統的な技法で前掛け、手ぬぐい、半纏を専門に製造している。
のぼりやのれんなど、扱っていない種類の染め物の注文も受け付けるが、
その場合は、デザインを含めたコーディネートを担当し、同業他社に発注。
完成品を武田染工場から客に納品する仕組みだ。
同じ形で、他社から依頼が入ることもある。
「取引全体の9割が同業者同士。ウチで作った製品に『武田染工場製』の表示はなく、
どこの製品なのかお客さまには分かりません」。
武田さんは、染め物業界独特の取引形態を説明する。
印刷技術の発達による需要低下や後継者不足など、
染め物業界は長期衰退傾向にある。
11年の東日本大震災で被災し、廃業した社も多い。
「同業者に頼るだけでなく、自ら染め物の魅力を発信していかなければ、伝統が廃れてしまう」。
老舗の将来に対する武田さんの不安が、新機軸につながった。
染め物業界は長期衰退傾向にある。
11年の東日本大震災で被災し、廃業した社も多い。
「同業者に頼るだけでなく、自ら染め物の魅力を発信していかなければ、伝統が廃れてしまう」。
老舗の将来に対する武田さんの不安が、新機軸につながった。
福祉施設や食品卸会社といった異業種と提携して手ぬぐいを作るなど、オリジナル製品の開発以外にも力を入れている。自社製品に「武田染工場製」とはっきり表示することも忘れない。
新路線の手応えは「芽が出始めたくらい」と武田さん。
不安はあるが、「前に踏み出さなければ何も始まらない」と不退転の決意で挑んでいる。
(了)
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