岩井畳商工店(仙台市太白区)次世代に伝統を 東北学院大2年 神室理穂


  店舗では鮮やかながらも落ち着きのある彩のコースターや温かみある人形が迎えてくれる。全て畳でできたもの。

太白区長町南に1935年から店を構える「岩井畳商工店」3代目岩井武宏さん(58)が作った商品だ。畳の製造や張り替えという仕事の合間を縫っては畳でできた小物を作っている。

 家業を継ぐため修行していた10代の頃、博覧会で目にしたのは畳でできた丸い椅子やサイコロ。普段目にする畳とは一味違う工芸品の数々だった。「いつか自分も作ってみたい」。家業を継ぎ、畳の製造や張り替えという仕事の合間を縫っては以前見た工芸品を独学で作るようになった。

 東日本大震災後、息子勇人さん(28)が家業を継ぐことを決めてくれた。嬉しい反面不安が募る。「畳は日本の伝統だから無くならない」。一般的にそう言われていた。フローリングの普及、劣化しにくい和紙畳が広まったことで畳交換の減少が続く。畳業界が陰りを見せ始めていた。

 知人から薬師堂の「手づくり市」への参加を誘われたのはそんな時だった。「畳に少しでも興味をもってもらえたら」との思いから参加を決めた。出店する商品は、工芸品をはじめとして自分で考えた小物や季節に合わせた品。親しみやすいよう、くるみボタンやコースター、と手軽に購入できる商品が多く並ぶ。「畳でできた額縁が欲しい」。と客から言われれば次の市には商品を用意した。「お客さんから要望があればなんでも作ってみたい」。その思いがモチベーションになっている。

 今後も手づくり市への出品を続けていく予定。簡単な畳小物の手作り教室や地元「ながまち祭り」への出店も視野に入れている。「次世代にそして息子に畳という伝統を残すため畳の存在をアピールしていきたい」。と切に願う。


畳コースターを作る岩井さん。

岩井さんの前方には畳小物が並ぶ

河北新報社 記者と駆けるインターン

2012年夏にスタートした、大学生向けの記者体験プログラム。 東日本大震災の被災地で、人に会って話を聞き、大事なポイントを見つけ、限られた字数で記事にする―。 そうした体験は、ジャーナリスト志望者のみならず、どんな職種職業にもつながる「生きる力」を養います。 このブログでは、学生の活動成果である記事と、活動中の日々の様子などを随時発信していきます。 募集告知もこちらで行います。

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